- 「既婚であることを隠されて2年も交際を続けた。慰謝料はいくらになるの？」
- 「独身だと騙されたことが分かってショックで体調を崩した。損害賠償できる？」
貞操権侵害による慰謝料の相場について
貞操権の侵害があった場合、女性が既婚男性に対して請求できる慰謝料の相場は、50万円から300万円の範囲です。
相場と言ってもこのように幅が広いのですが、個別の貞操権侵害の事案における慰謝料の金額は、既婚を隠していた男性と独身女性の具体的な交際に至る経緯や当事者の状況によって決まります。具体的には、以下の事情が重要な要素となります。
- 双方の年齢（特に結婚を考えている女性の年齢は重要です）
- 交際に至った経緯（浮気相手が婚活アプリといった婚活を前提とした出会いの場で独身と偽り女性に積極的にアプローチした場合は悪質性が高いと評価されます）
- 交際期間（長期間に及び女性の婚期や妊娠適齢期を奪った場合、悪質性が高くなります）
- 相手男性の嘘の内容（積極的に独身と嘘をついて結婚をほのめかしていたのか、それとも既婚であることを黙っていてあなたが気づかなかっただけか、など）
- 妊娠の有無（既婚男性から堕胎を余儀なくされた場合は悪質性が高いと評価されます）
- 既婚であることが発覚してからの相手の対応（誠実に謝罪をして慰謝料支払いを申し出たか、謝罪もなく開き直った対応をしたか）
- 交際中の性交渉の頻度、回数
なお、極めて長期間に及ぶ交際で女性が婚期を逃した場合や堕胎を迫られたといった通常よりも大きな精神的苦痛を受けたと評価できる特別な事情があれば300万円を超える慰謝料が認められる場合があります。
慰謝料を請求する場合の注意点
このように、貞操権の侵害で慰謝料を請求する場合、50万円～300万円の相場はあるとはいえ、騙された女性側と独身と嘘をついた男性の具体的な交際状況によって認められる慰謝料の金額が異なることになります。具体的にいくらを請求するかについては、慰謝料請求の交渉の戦略やどのような証拠を持っているかによって変わってくることになります。
もっとも、具体的に貞操権の侵害による慰謝料請求のアクションを起こす前に、慰謝料請求に強い弁護士に相談していくらを請求するか、どのような証拠を準備すべきかについて専門的なアドバイスを受けることをお薦めします。
当事務所は、貞操権侵害による慰謝料請求に豊富な経験を有する女性弁護士が所属していますので、貞操権侵害の慰謝料でお悩みの方は、当事務所の法律相談をご利用下さい。
