離婚問題には、そもそも離婚するかどうかという意思決定があり、離婚するとなれば慰謝料や財産分与、そしてお子様がいる場合には親権や養育費まで、決めなければならないことがたくさんあります。これらは一般的に、協議・調停を経た上で当事者の合意によって決まりますが、合意できなければ離婚裁判によって決められることになります。
当事者が合意できない場合には、離婚裁判は法律によって裁判官が判決を下すことになります。そのため、離婚問題を有利な条件で進めるためには、協議、調停といった初期の段階から、裁判結果を意識して進める必要があります。たとえば、裁判で負けることが濃厚な相手方からは有利な解決を事前に引き出すことができますし、逆にこちらが裁判で不利になりそうなのであれば、裁判を回避して早期に解決することが望ましいと言えます。有利な離婚条件で解決するには、離婚・男女問題に強い弁護士に相談することがベストです。
当事務所の弁護士は、離婚問題に関する10年以上の豊富な経験と深い法律知識を持っておりますので、有利な離婚条件の法律相談は当事務所の法律相談ご利用をご検討下さい。
ここでは、財産分与、慰謝料、親権、養育費といった離婚トラブルで争われる典型的なポイントについて、有利な離婚条件を獲得するためのコツについて説明します。
このページの目次
財産分与で有利な離婚条件を獲得するには
財産分与は、離婚条件において最も争いが大きくなる条件であり、難しい法律問題も存在する交渉が難航しやすい問題です。
まず、財産分与の対象となる財産を確定させなければなりません。
さらに、夫婦共同で築き上げてきた財産のみが財産分与の対象となり、婚姻前の財産のように夫婦のうち一方が単独で作った財産は財産分与の対象とはなりません。
もっとも、婚姻後に取得した財産は、名義にかかわらず原則として夫婦の共有財産となります(例外は夫婦のうちどちらか一方が相続する財産等です)。このうち、財産分与の協議を行う場合、夫婦間で株式、不動産、生命保険、退職金といった簡単に分けることのできない財産を保持している場合や、財産の価格が大きい場合に財産分与の争いが多く生じることになります。財産分与を多く獲得するためには、相手名義の財産であっても婚姻後に夫婦共同で得た財産であることを証拠に基づき客観的に主張する必要があります。
対象となる財産が確定できたら、どの割合で分与するかを決めることになります。現在では、財産分与は原則として夫婦が平等に2分の1ずつ分け合うルール(「2分の1ルール」)が一般的に採用されています。そのため、財産分与の対象となる財産を可能な限り把握することが重要となってくるのです。
なお、夫婦間の財産形成に特殊な事情があって、妻の方が財産形成に寄与下と認められた場合には、2分の1ルールに従わず、妻側に有利な割合が採用されることがあります。例えば、夫が浪費で財産を費消した一方で、妻は献身的に貯金に励んだ場合、あるいは妻の特殊な才能により財産形成をした場合です。ただし、これは逆の場合もあるので注意が必要です。
慰謝料で有利な離婚条件を獲得するには
離婚にあたって争われる次の問題は「慰謝料」です。離婚における慰謝料とは、結婚生活中に一方が相手配偶者に対して行った行為によって精神的苦痛を与えたことに対する損害賠償のことを言います。そのため、一方の配偶者に離婚原因となる行為(不倫、DV、モラハラ、正当な理由のない同居の拒否、生活費を渡さない)が認められなければなりません。
いずれの場合でも、最も重要なのは離婚原因となる行為を立証する証拠です。ここでの証拠は、あなたの主観ではなく客観的なものでなければなりません。なぜなら、相手があなたの言い分を否定した場合には「言った」「言わない」の争いになり、慰謝料を請求する側が相手の行為を証明しなければならないからです。
証拠の例としては、不倫の場合は夫が浮気相手とラブホテルから出てきた写真、性交渉を持ったことを裏付けるラインやメール、DVの場合は病院での診断書や傷を撮影した写真です。モラハラの場合は相手の言動を記録したテープレコーダーやビデオ等が挙げられます。
どのような証拠を集めるべきかについては、事前に離婚請求を行う前に、離婚に強い弁護士に相談することをお勧めします。なお、慰謝料の相場は100万円~300万円ですが、相手の行為の違法性が強い場合にはそれ以上の慰謝料を請求できる場合があります。また、相手が離婚したい場合にこちらが拒否している場合、離婚する条件としてより高額の金額を慰謝料ないし解決金名目で獲得できる可能性があります。
個別の事案によって慰謝料を獲得する戦略は異なってきますので、詳しくは弁護士にご相談下さい。
親権で有利な離婚条件
子どもがいる夫婦が離婚する際には、父母のどちらか一方を子どもの親権者として定めなければなりません。実務上は、多くの場合において女性が親権者として指定されており、男性が親権を獲得するのはかなり戦略を練った上で、かつ子どもが父親と一緒に暮らしたいという意思があり、客観的にも父親を親権者とした方が良い場合に限られます。
そのため、親権者については通常は女性が有利な立場になります。もっとも、確実に親権を獲得するためには、離婚請求前に離婚に強い弁護士に相談することをお薦めします。
親権者の指定について詳しくはコチラをご覧下さい。(22 子どもの親権・監護権についてへリンク)
養育費で有利な離婚条件
養育費は、裁判所が公表している基準に従うことになります。これに応じて、父母双方の収入と子どもの年齢に基づいて決まることになります。もっとも、養育費は子どもの生活費や教育費のための費用であり、父親が子どもの親権者とならない場合でも、子どものための費用と言うことで少しでも高い金額を支払ってもらうよう交渉することが重要となります。
養育費に関する裁判所の基準はこちら
(https://www.courts.go.jp/toukei_siryou/siryo/H30shihou_houkoku/index.html)
有利な条件で離婚するには
このように、離婚をする場合には、財産分与、慰謝料、親権、養育費について、皆さまの個別の事情に応じて、事前にどのように有利な条件を獲得するかの戦略を立てることが重要となります。また、離婚請求のアクションを起こす前に証拠を集めなければなりません。そのためには、離婚に強い弁護士に法律相談を受けることがベストだと言えるでしょう。繰り返しになりますが、相手と離婚交渉をスタートする「前」に戦略を練ることです。
離婚協議がスタートし、相手が身構えた場合には、重要な証拠を隠されてしまいかねませんし、結果的に、離婚に至るまでの戦略がなければ獲得できたはずの有利な条件も獲得できない、と言うことになりかねません。
当事務所では、離婚問題に強い女性弁護士が親身になってご相談に応じています。離婚問題でお悩みの女性は、当事務所の法律相談をご利用下さい。