協議離婚の合意書…
養育費支払いの公正証書…
慰謝料の示談書…
当事務所はこれまで多くの離婚トラブル・男女問題の法律相談にあたってきました。
弁護士がトラブルや事件の解決を行う場合、必ず書面を残しますが、なぜ、解決した内容を書面で残すことが重要なのでしょうか?
この記事では、離婚・男女問題のトラブルが起きた場合において「合意書」「示談書」「公正証書」といった書面で解決する3つのメリットについて解説します。
メリット①解決したことの明確な「区切り」になる
離婚や不倫の慰謝料でトラブルになった場合に、お互いが解決する内容に納得して「示談書」や「合意書」といった書面を作った場合、これが解決の「区切り」になります。
きちんと書面を解決して解決の区切りをつけることで、後になって「前回のお金の支払は解決金の一部で、実際は解決していない」などと言って新たな言いがかりをつけられることを阻止するメリットがあります。
ここで重要なことは、(1)解決する案件の対象を明確にすること(何に関するトラブルを解決するための書面なのか)、(2)書面の作成をもって解決すること(これを「清算条項」と言います)を明確に合意することです。
その例としては、「本書面の対象は、AとCとの婚姻期間中における、BがAとの間の不倫をした一切に関する清算である」、というように、誰と誰の間のトラブルで、いつのことかをきちんと明確にしなければならないのです。
メリット②後になって「言った」「言わない」のリスクを回避できる
メリット②はメリット①と関連するのですが、きちんと合意した内容を争いの内容に書面に残すことで、後になって「言った」「言わない」のトラブルを防ぐことができます。
離婚や男女問題のトラブルにおいては、一度解決に納得しても、後になって「やっぱり許せない」という気持ちが高まってきて、やっぱりあの解決はなかったことにしてほしい、という事態が生じることがままあります。
しかし、法律的に有効な書面で解決内容を合意すれば、後になって相手方が反故にしようとしても、書面をもってもう解決したこと、と明確に反論することができるのです。
トラブルが解決したことが書面として残っていれば、「言った」「言わない」問題は起きず、これ以上に有力な反論はありません。
皆さまも、もし離婚トラブルや男女問題を解決しようとする場合、法的にきちんとした形で解決内容を書面として残すことをお勧めします。
メリット③いざとなったら裁判の有力な証拠になる
最後のメリットですが、もし解決した内容が書面として残っていれば、後になって紛争が再燃して裁判沙汰になったとしても、裁判所は書面といった客観的な証拠を非常に重視するため、書面に残したということが有力な証拠になるのです。
そのため、トラブルの解決内容があなたに有利な内容であればあるほど、書面に残す必要性があるといってよいでしょう。
この点、あなたがトラブルにおいて養育費や慰謝料といったお金を「支払う側」で一見して不利な当事者であったとしても、書面を残すことでそれ以上のお金を支払わなくてよい、というメリットになります。
一度お金を支払ったにもかかわらず、さらなる金銭の支払いを請求されて裁判となっても、示談書があることでそれ以上の金銭は支払わなくてよい、という証拠になるのです。
書面で残す場合の注意点
もっとも、書面に残す場合、どのような書面であってもよい、ということにはなりません。
書面に残す場合は、必ず両当事者同士が直筆で署名し、押印することを心がけましょう。
一方当事者だけが作成した自分に有利に書面は、証拠価値としては弱いのです。
不利な内容に署名・押印させるからこそ、有力な証拠価値が認められることになります。なぜなら、ふつうは自分に不利な内容に署名・押印しないという価値判断があるからです。
そして、せっかく書面で解決する以上、法的に有効な形で作成することをお勧めします。
そのために重要なことは、やはり法律の専門家・弁護士に相談することです。
当事務所は、離婚・男女問題に10年以上の経験を有する女性弁護士が、示談書・合意書・公正証書といったトラブル解決のための書面作成のアドバイスを行っています。
離婚(養育費・親権・慰謝料)・男女問題でお困りの方は、当事務所の法律相談を御利用ください。なお、法律相談は有料(30分5500円、女性の場合初回1時間まで5500円)で事前予約制(電話:011-281-4511、WEBフォーム)となっております。