離婚や不倫相手に対する慰謝料の請求、もめ事を解決する際には示談書を作ることが重要です。
なお、離婚の際に作成する示談書は「協議離婚書」と呼ばれることが多いです。
※トラブル解決時に書面を作成するメリットはこちらの記事をお読みください※
この記事では、示談書(協議離婚書)を作成する場合における一般的な注意点を3つのポイントに分けて説明します。
ポイント①:示談の対象を特定すること ポイント②:当事者の権利・義務をできるだけ具体的に記載すること ポイント③:清算条項を忘れずにこと |
ポイント①:示談の対象を特定すること
まず最初のポイントは、示談書の冒頭にて示談で解決する対象(紛争・事件のこと)を特定することです。
例えば、Cと結婚関係にあったAと第三者Bの浮気による慰謝料の解決に関しては、AとBの間の特定の日の不貞行為なのか、全期間の不貞行為なのかをきちんと特定しなければなりません。
トラブルを解決するために示談書を作る以上、そのトラブルをきちんと当事者で特定して合意しなければならない、ということです。
もし示談の対象の特定が不十分であれば、お金を払う当事者からすれば、さらなる金銭の請求を受けるリスクが残ることになるのです。
ポイント②:当事者の権利・義務をできるだけ具体的に記載すること
示談書作成にあたっての2つ目のポイントは、示談する当事者の権利・義務を具体的に記載することです。
「権利」「義務」というと難しく聞こえるかもしれませんが、簡単に言うと、お金の支払い、物や不動産の帰属等について①「いつ」②「誰が」③「誰に対して」④「何について」⑤「どのような行為をしなければならないか」という点を明記することです。
例えば、不貞行為による慰謝料でいうと、
「②Bが③Cに対して、④本件不貞行為の慰謝料として、①2022年2月末日までに、⑤150万円を銀行振り込みの方法により支払う。ただし、振込費用はBの負担とする」
といった条項になります。
この条項では、上記のポイントがすべて盛り込まれていることがわかります。ここで、④については、「本件不貞行為」と記載していますが、本件不貞行為が何を言うかという点について、ポイント①で説明した対象の特定を行わなければなりません。
なお、小さなトラブルを防ぐために、振込費用までどちらが負担するかを明記することをお勧めします。
ポイント③:清算条項を忘れずにこと
最後のポイントとして、示談書の作成にあたっては清算条項を付け加えなければなりません。
清算条項とは、ポイント①で特定した紛争に関しては、締結する示談書に記載する以外には、当事者に何らの権利義務もないことを確認する約束です。
清算条項の合意によって、示談書以外には、当事者は何らの請求もクレームの申し立てもできないことになり、紛争が解決されることになります。
例えば、不貞行為の慰謝料の事案では、
「CとBとの間には、本件について、本示談に定めるほか何ら債権債務のないことを相互に確認する。」
という条項になります。
清算条項の合意によって、浮気をしたBは示談書に書かれた以上のお金を支払う必要がなくなるのです。
示談書作成は弁護士へ相談することをおお勧めします
トラブルが起きた場合に示談書を作成して解決する以上、法的に有効な形で作成することをお勧めします。
そのために重要なことは、やはり法律の専門家・弁護士に相談することです。
当事務所は、離婚・男女問題に10年以上の経験を有する女性弁護士が、示談書・合意書・公正証書といったトラブル解決のための書面作成のアドバイスを行っています。
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